The法円坂vol.69 「2022年2月22日22時22分22秒 」の宣言

「2022年2月22日22時22分22秒 」の宣言

弁護士 稲田堅太郎

 新型コロナウイスルの脅威にさらされようとしていた二〇二〇年八月一二日に、元早稲田大学総長の西原春夫さんの主催する「東アジア不戦推進プロジェクト」が、二〇二二年二月二二日二二時二二分二二秒に東アジアの全首脳が「東アジアを戦争のない地域にする」と宣言するという、第二次大戦を知る八五歳以上の有識者たち一九名の賛同を得た上での提言を発表する記者会見が都内で行われました。

 賛同者には、瀬戸内寂聴(作家)千玄室(裏千家一五代家元、元特攻隊員の生き残り)伊藤雅俊(イトーヨーカ堂の設立者)大城立裕(沖縄の作家)岡田卓也(イオングループ名誉会長)石原信雄(元内閣官房副長官)野村萬(狂言方和泉流)谷口誠(元国連大使)沢地久枝(作家)有馬朗人(元東大総長)明石康(元国連事務総長特別代表)花柳寿応(花柳流家元)平岩弓枝(作家)三浦雄一郎(登山家)森田実(ジャーナリスト)仲代達矢(俳優)有馬龍夫(外交官、早大教授)海老沢勝二(元NHK会長)と西原春夫の一九名の錚々たる人達です。なお、花柳寿応さん、大城立裕さん、有馬朗人さんと瀬戸内寂聴さんはその後お亡くなりになりました。

 西原春夫さんは「国の安全保障上、敵が攻めてきたら、どのようにして国を守るか」という政策は必要だが、現実に敵をつくったら軍拡競争につながりかねない。それよりも国際政治の本旨は「どうやって、どこの国も攻めないようにするか」にあるのではないか。「敵が攻めてきたら」という政策は本来「敵」を想定することになるが、その場合「敵」にされた国はいい気持ちにならないだろう。その国との友好関係を困難にし、益々「敵」に追いやってしまう傾向に陥ることになる。対立を超えるという『超克』の思想が必要だと伝えたいとのことで、戦争を体験した最後の「長老」たちと語りあったということです。

 「どのようにしてアジアの首脳に不戦宣言を出してもらうのか」との質問に対して、西原さんは「未だ明かせないが腹案がある。」とし、例えば北京冬季オリンピックの開催期間が二〇二二年二月四日から二〇日であり、その二日後が二二日であるから、オリンピックに合わせた対策が存在するのではないのか?現時点から二〇二二年二月二二日二二時二二分二二秒の到来が楽しみである。