The法円坂vol.66 海洋汚染・地球の未来
海洋汚染・地球の未来
乕田喜代隆
プラスチックは、有用であらゆる所に利用されています。私たちの生活でもレジ袋やペットボトルなど身近にありますが、ついポイ捨てをしているのではないでしょうか。
プラスチックゴミによる海洋汚染が大きな問題になっています。投棄されたレジ袋や廃プラなどプラスチックゴミが海に流されています。800万トンのゴミが海洋に流れ込んでいるといいます。漂着したクジラの内蔵から大量のプラスチックが出てきたり、魚だけでなく海洋生物からもプラスチックが出ています。とりわけ、プラスチックがこわれて微少になったマイクロプラスチックは魚や鳥が摂取し、生態系に大きな影響を与えるとされています。このままでは、2050年には魚よりプラスチックが多くなると言われています。
このような海洋汚染に対して、2018年6月のG7で海洋プラスチック憲章宣言が発表されました。憲章は、具体的な目標を示しています。
①2030年までに、プラスチックを100%再生利用可能かリサイクル可能なものにする。不可能な場合回収可能なものにする。②不必要な使い捨てプラスチックの使用を大幅に削減する。③プラスチック廃棄物を削減し、再生素材品市場の活性化や代替品を支援する。⑤2020年までに化粧品やパーソナルケア消費材のプラスチックマイクロビーズの使用を可能な範囲で削減する。⑥2030年までにプラスチック容器の再利用やリサイクル率を少なくとも55%にあげ、2040年までに100%にする。等々
そして、スターバックスなどがプラスチックストローの廃止を打ち出し、その後、コカコーラなどの多国籍企業ら250社がプラゴミ削減を目指す共同宣言を発表しました。EUをはじめ途上国でもプラスチックの利用規制がされてきています。
残念ながら、日本はアメリカとともに憲章に署名をしませんでした。2019年6月には大阪でG20が開かれます。アメリカに追随するのでなく、日本がG20では環境問題をリードしてほしいと思います。
プラスチックゴミの削減では、プラスチックの生産から利用、廃棄処理まで政策を持ち、世界的な取り組んでいくことが必要です。私たちも、小さなことからでも努力していくことも求められています。
資本主義は成長することを第一に大量生産、大量消費社会を生み出し、資源、エネルギーを消費してきました。しかし、資源は無尽蔵でなく限界があることがはっきり見えてきました。そして、地球そのものが汚染され傷ついています。
今日ほど、全て問題が、美しい地球を取り戻し未来に手渡すために、放置しておくことができない課題として突きつけられているように思います。